昨年のITMでお会いした人たちのブログで気になる一連の書き込みがあった。
まずは静岡県の森林組合にIターンで就職した好青年のブログから。
『濁流・・・』
“僕は森林組 合で働いていますが、森林組合が好きではありません。国有林の仕事、旧緑資源機構の仕事等公共事業が多く、山荒らしの手伝いをしているみたいで組合の仕事 は嫌いです。
まだどうなるかわかりませんが、今後NPO法人を立ち上げ森林を守る関係の活動をしていくことになるかもしれません。 家族・友人・こどもたちに誇れる、 自分の心のどん底が納得できる仕事をしていきたいです。”
この記事に対してトラックバックしたのが吉野の森林組合にIターンしたカリスマ林業家。
『林業は森林を破壊する のか』
“んでさ、まあなかなか難しいんだけど、
針葉樹じゃなくて広葉樹ならいいのかなあ。
山が荒れるっていうのはどういうことなのかな。
少なくとも僕は森林組合の仕事をしていて、たったの一度も山を荒らしているとかおもったことはないのね。
山を守っているとか環境のためにとかも思ったことないけど。
仕事に後ろめたさを感じたことはないんだよね。
仕事内容、環境によるところも大きいと思うんだけど。
でも、やっぱり森林組合の仕事で悩む人はやっぱりいて、独立する人もいるでしょ。
環境破壊とか、森林破壊とか、大きスギて僕にはさっぱりわからないんだけど、林業が破壊するとか林業で再生とか、いったいどうなんだろうか。
う?む。
やっぱりさっぱり分からない。。。”
それに対して再び
『でき杉計画に~!』
でき杉さんのブログのコメントで「現場の人間がこういうジャーナリスティックな・・・」と批判するような内容がありましたが、現場の人間でしか 分からないこの山の現状を、現場の人間が真剣に考えていかなければいけないような気がします。 そしてこの現状を多くの人に伝える義務があると思いま す。(最近、妙な使命感みたいなものを感じちゃって)
補助金だけに依存せず、持続可能な木材生産業をしっかりとやっている事業体・現場の人にはあまりよく伝わらないかもしれません・・・。
自分も考えさせられました。
静岡の彼の気持ちもよくわかります。
自然が好きで、自然を守りたいから林業を目指す人ってけっこう多い。
彼が言うように現場の人間が伝えていかなければならないこともたくさんあると思うしね。
でも、気になるのは、なぜそれがNPOになるのか?ってところ。
NPOを否定するつもりはないけれど、利益を目指す事業体だって環境に良い林業、彼の言葉で言うと自分の心のどん底が納得できる仕事は可能だと思うのだけ ど。
可能ではないのだとしたら林業は環境に悪いということになるのだろう。
だけど俺はそもそも環境に良い仕事などないと思っている。
だから、ここで悩んでしまうと苦しくなるだけじゃないのかと心配するのだ。
それより何より、彼は以前林業の仕事で大怪我していて未だ完治せずに悩み続けている。
そんな状況で独立だとか環境だとか考えられるのか。というより考えて欲しくない。
まずは自分が健康で幸せであるべきだ。
そんなところを感じ取っているのかいないのか、吉野のカリスマは林業の現場で働くものが頭でっかちになって林業の現場から離れていくことを危惧している。
彼だって環境のこととか絶対に考えているはずなんだけどね。
でも、林業の現場で働くものがそれを考えても健康的じゃないんだよね。
林業という仕事をいかに楽しむか。そして、自分なりに誇りを持って生きていくか。
どんな仕事でもそれは大切なことだと思う。
もちろん自分自身に納得できるかどうかというのは個人の哲学によるところなのでそれに善し悪しをきめることなんてできないわけだ。
静岡の彼も吉野の彼も林業の世界で生きる先輩として私は非常に尊敬している。
ただ、静岡の彼にはまず自分の体のことを考えてもらいたい。
彼のブログを読んでいるのかどうか知らないが同じく長野にIターンしている林業家はこんな記事を書いていた。
すぅーっと肩の力が抜けるとともに背筋がピンとなるような示唆の深い記事だと思う。
そう、林業は普通の仕事でなければならない。
林業ががんばったって環境は良くなるわけじゃないし、林業家が環境破壊に対する十字架をひとりで背負う必要はない。
普通の仕事して林業が認識されて、環境のことを全ての市民が平等に考えていけるようになるにはまずは自分自身が普通の仕事として誇りを持って働くべきなの かもしれない。
『命 がけ』
林業の現場での仕事について考えてみる。
「林業は危険な仕事だ。」
「命がけでやっている。」
良く聞くフレーズ。たしかにデスクワークよりは怪我のリスクが大きい。
しかし仕事というのは家族が生活する糧であり、稼ぐということだ。
命をかけてはいけない。
危険な仕事をしている自分にちょっとしたステータスを感じていたり、
一般人とは違うというような考えでいる人は危険だ。
自分から見た「一般の人」の多くは、自分が知らない分野での専門家であり、
彼らから見れば自分は「一般の人」である。
自分たちだけが特別ではない。林業もただの仕事だ。
家族と自分のために、健康的に継続的に稼ぐ必要がある。
そこで持続的に収入を得るためには、まず怪我をしないこと。
身体に悪影響があると分かっている事には対策をとること。
(中略)
将来の健康を仕事に捧げるような、まして命をかけるなどということはナンセンスだ。
普通の仕事なのだから。
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